パリに息づく200年の伝統
丹後に息づく300年の伝統
異国の地に流れる二つの時間が交わるとき
伝統の技と魂が一つになる
こんにちは、PARANOMADテキスタイルデザイナーの原田美帆です。TANGO OPENチームのパリ滞在には国際見本市「メゾン・エ・オブジェ」への出展と、もう一つ大きな目的がありました。
メゾン・エ・オブジェ出展の様子も本編と合わせてどうぞご覧ください。
TANGO is OPEN to the world 「Maison & Objet」
光の差し込む明るいギャラリーを通り抜け、地下へと続く階段を降りる。壁一面に端正な白木の箱が並んでいます。その中には、職人の手によって緻密な加工が施された木材、ガラス、金属など極上の素材が詰まっていました。ここは素材の宝箱を求めて、建築家やデザイナーが訪れる場所なのです。
「その中の一つに、丹後の織物を納めてはどうでしょう」。現地コンサルタントからの提案を受け、各社が生地を持ち寄っていました。丹後の織物は、果たしてラグジュアリーな素材として受け入れられるだろうか。不安を抱きながらテーブルの上に織物を広げた途端に、魅入られたかのように手が伸びてきます。それは、美しいものに触れたいという本能的な行為。これからの展望を象徴するような光景に思わず胸が熱くなりました。
機屋の代表的な製品を紹介した後は、とあるコラボレーションプロジェクトのために使用する生地を選んでいきます。200年の歴史を持つ老舗企業との共同製作が、いま静かに始まりました。
丹後で受け継がれた織物の技と、フランスの文化を守り伝える伝統工芸が一つになる。無数の職人が繋いできたバトンが海を越え、現代の感性の元に交わる。その姿は、どれほどに美しいでしょうか。今から待ちきれない、早くその姿を現してほしいと思わずにはいられません。
完成の暁には、THE TANGOで皆さまにご報告しましょう。
セレクトされた織物たち
原田 美帆 与謝野町在住
インテリアコーディネーター・現代アートスタジオスタッフとして活躍し、2015年からは丹後・与謝野町に移住と共にデザインスタジオ「PARANOMAD(パラノマド)」を設立。織物は彫刻という独自の視点でカーテンを始めとしたテキスタイルを制作。また、マニアックな所まで的確にレポートするライターとしても活躍中。そんな彼女の美と食の記事は今後とても楽しみであります。
PARANOMAD