初めまして。
丹後バル代表の関 奈央弥と申します。
海の京都と呼ばれる、京都府北部に位置する「丹後」地域。
海、山、川といった自然が豊かな丹後では、その自然環境を生かして、様々な美味しい食材が生産されています。
そして、その美味しい食材が生産される裏側には、生産者の方々の様々なこだわりや努力、オモイが詰められています。
私たち「丹後バル」は、この丹後で生産されている、美味しい「美食材」を、生産者の方々の「オモイ」と一緒に伝えることをコンセプトに活動をしております。
こちらのコラムでは、丹後で日々美味しい食材を作られている「生産者」の皆様にスポットライトを当てて、丹後の食の魅力をご紹介させていただきたいと思います。
さて、1回目の今回は、自己紹介も兼ねて丹後バルのご紹介をさせていただきます。
Naoya seki
私は、京丹後市網野町出身の管理栄養士です。高校卒業まで丹後で過ごし、その後大学から東京に出て栄養学を学び、大学卒業後は5年間小学校の栄養士として東京都大田区の小学校に勤務いたしました。
現在は、2017年4月より京都市内に拠点を移し、缶詰、瓶詰めなどの小ロットの商品開発支援を行う「株式会社カンブライト」に所属をしながら、独立を目指して丹後バルプロジェクトを進めております。
丹後バルを立ち上げるきっかけとしては、ある2つの出来事がありました。
一つ目は、丹後で体験した「定置網漁の漁業見学」です。
私は栄養士として日々子どもたちに食育を行なう中で、「生産現場訪問」の必要性を感じました。
そこで、丹後に帰省したタイミングでたまたま見つけた、「定置網漁の漁業見学」に参加しました。
この定置網漁は、主に「鰆」を狙った漁だったのですが、実際に見学に行ってみると、「鰆」以外にも、何千、何万という数の小魚が水揚げされておりました。
*定置網漁で水揚げされた魚の様子
この無数の魚が水揚げされる様を見て、私は初めて「いただきます」の意味の一つである、生き物の命を「いただく」という意味を実感し、食べ物を大切にすることの重要性を改めて感じました。
そして、子どもたちにもこの現場を見せてあげたいと強く思いました。
二つ目は、学校の給食時間に体験したある出来事です。
当時「地産地消」の一環として、東京都江戸川区の、ある農家さんの小松菜を給食で使用しておりました。
1,2年ほど継続して小松菜を使用し、給食で小松菜料理を出しては、子どもたちに「地産地消」の良さを教えていました。すると、知識としては定着し、「地産地消」の良さを聞くと、「新鮮なものが食べられる」「生産者の顔が見える」などと答えるようになったのです。
しかしこの時一つの疑問が浮かんできました。
「生産者の顔が見えると言っているけど、実際にこの子たちは、生産者の顔を見たことがないな」
「知識だけ定着しても意味ないのではないか」
というものです。
そこで、私は実際に農家さんに会いに行き、取材をさせてもらいました。そして給食時間を使って子どもたちにその農家さんの食材を食べてもらいながら、写真を使って農家さんの紹介をするということを始めました。
「この小松菜は、40日前に種まきしたものでね」
「みんなの健康を考えて、大切に育ててくれたものだよ」
「冬の寒い中、冷たい水で、綺麗に土を落としてくれて、安全なものを届けてくれているのだよ」
と言った感じです。
すると、この話を聞いた子どもが、苦手な小松菜を食べるようになるという大きな変化がありました。
この時私は、普段スーパーで買い物をするだけでは絶対に入ってこない情報である、食の裏側を伝えることの重要性、価値に気づきました。
そして同時に、定置網漁体験の記憶が蘇り、丹後の食環境を生かした「食育」の可能性に気づきました。
そんな経緯で立ち上げたのが丹後バルプロジェクトです。
現在は、東京、京都、丹後を主に、丹後の生産者の方々から直接送っていただいた、オモイのこもった美味しい「美食材」を料理人の方々にご協力をいただき、食べていただく場を提供しております。
そして、美味しい料理を提供するだけでなく、丹後の生産者の方々の生産現場の風景や思いを映像を使って届けたり、実際に生産者の方にイベントに来ていただいたりして伝えています。
*先日のイベントで提供させていただいた鹿肉ソテー
*イベントでは、映像などを用いて、生産者の方の紹介をしている。
イベント開催情報や丹後バルの詳細は下記Webページをご覧ください。
次回以降、丹後の生産者の方々のご紹介をしていきます。
丹後の旬の食材情報を、生産者の方々のオモイと一緒にお届けできればと思います。
関 奈央弥
京丹後市・網野町出身
栄養士として東京で活動する傍ら、地元丹後の美食材にフォーカスした「tangobar」を立ち上げ食育を通じて新しい風を巻き起こしている。生産者にしっかりと向き合いストーリーを伝える活動は、次世代の姿であり、今後の活躍がとても楽しみな1人でもあります。