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とっぷりTANGOを味わう会 京丹後美食都市研究推進会 A party to enjoy a lot of TANGO Kyotango Gourmet City Research Promotion Association

一皿と一献
丹後で生まれた素材と技が
舌の上でひとつになっていく

今年も丹後にグルマンたちが集う季節がやってきました。グルマンとは美食家や食いしん坊のこと。この時期、豊かな食材と料理人が生み出す至福のイベントがあちこちで開催されるのです。

とっぷりTANGOを味わう会〜京丹後5蔵の地酒と旬食材の「ひと皿」のペアリング〜は今年で開催3年目、リピート率が4割を超える人気のイベントです。5つの酒蔵の特色ある地酒に合わせ、老舗旅館板長、カフェ店主、料理研究家などバラエティ豊かな料理人がコースを組み立てます。

丹後の人気店で構成された料理人チーム

メニュー作りは5蔵20銘柄の利酒からスタートしました。試飲を重ね10銘柄に絞り、ペアリングフードを考案。各々の料理人が一皿を作りながらコース全体が調和し、食材が重ならず、程よいボリュームで味わい尽くせるよう…細部まで調整が重ねられています。日本酒の味わいに地産の食材-野菜、魚介、肉、調味料-を掛け合わせた全10品のペアリングディナー、お品書きを紹介します。

*日本酒の説明は公式デジタルパンフレットを合わせてご参照ください。日本酒ソムリエによる各銘柄の紹介、蔵の想い、醸造方法などお読みいただけます。
たんちょす」デジタルパンフレット

日本酒:BLACK SWAN II / 貴醸酒 0度 白杉酒造(株)

お料理:ツバスのコンフィと秋茄子 葡萄、葡萄のソース / cafe888 荻美帆

芳醇な酸味と発泡が広がる日本酒に、凍らせた葡萄を合わせて爽やかに。これから始まる10品がどんな体験をさせてくれるのだろうと心躍るスターターです。

日本酒:旭蔵舞2022 / 純米吟醸 人肌燗 竹野酒造(有)

お料理:磯タコ焼霜造り 二種仕立て / 旬菜鮮肴ふかたべ 隅野直樹

時間と共に変化する繊細なお酒の味わいを活かすため、脂のないタコをセレクト。新鮮なタコは身が柔らかくなってしまうところを、包丁の技術で歯応えを持たせています。

日本酒:久美の浦 特別純米酒 翠龍 / 特別純米 冷酒 熊野酒造(有)

お料理:青紫蘇香る京地鶏と丹後甘味噌汁 / 和のオーベルジュまつつる 松梨善行

すっきりした香りとクリーミーなテクスチャのお酒に、青紫蘇の香りと甘味噌のコクを合わせて。京地鶏の旨みも加わりボリューム感ある一皿です。

日本酒:吉野山 特別本醸造酒 / 特別本醸造 ぬる燗 吉岡酒造場

お料理:イシナギ塩焼き 魚脂まみれ / 旬菜鮮肴ふかたべ 隅野直樹

昔ながらのしっかりした辛口のお酒には、旨みをたっぷり含んだ魚脂をかけて。紐唐辛子やニラの花など薬味のアクセントが散りばめられています。

日本酒:純米醸造 杜氏の独り言 / 純米醸造 冷酒 熊野酒造(有)

お料理:甘海老と地野菜色々 汲み上げ湯葉の白酢味噌にて / 丹後旅の宿 万助楼 大町英継

バランスよく優しい味わいと柑橘のような余韻のお酒に、透明なお酢のゼリーで包まれた甘エビと地元野菜と合わせて。白味噌と湯葉のまろやかさがお酒を引き立てます。

日本酒:Time Machine Vintage / 純米 熱燗 木下酒造(有)

お料理:京たんくろ和牛イチボ 青椒肉絲 / 麺倶楽亭 馬場隆太

まるで紹興酒のようなお酒には、低温調理された青椒肉絲を。お酒から立ち上がるデーツ、クローブ、八角などのスパイス感も食材に絡ませシンクロさせています。

日本酒:吉野山 超特選 大吟醸 / 大吟醸 冷酒 吉岡酒造場

お料理:ノドグロ炙りと彩り仕立てのお寿司 / KISSUIEN Stay&Food 山本博之

寿司と大吟醸、王道のペアリングです。切れ味のある飲み口と旨さのお酒が、脂の甘みと互いに引き立て合って。口内でふわりとほどけるようにネタは小ぶりに、細部まで気が配られた一皿です。

日本酒:玉川純米酒(山廃) 無濾過生原酒 / 純米 飛切燗 木下酒造(有)

お料理:山椒香る白ばい貝のホットサラダ〜エスプーマ仕立〜 / 和のオーベルジュまつつる 松梨善行

山廃の濃厚な旨みのお酒には、薫香をまとわせた食材を合わせて。地産のクレソンや和風ザワークラウトなど存在感ある味がエスプーマの泡でやさしくまとめられています。

日本酒:光芒#51 / 純米 冷酒 白杉酒造(株)

お料理:昆布水つけ麺 潮汁仕立て/ 麺倶楽亭 馬場隆太

爽やかな香りと甘みが泡と共に広がるお酒には、出汁から柑橘風味への味変が楽しいつけ麺と合わせて。とろみたっぷりの昆布水が絡んだ麺をスープに潜らせて食べる、あたらしい体験です。

日本酒:No28 2018 / 純米吟醸 15度 竹野酒造(有)

お料理:珈琲と丹後梨のトライフル / tabeltable ハミルトン純子

リンゴ酸酵母のお酒を4年熟成させ、深くまったりとした味わいに。チャイで炊いた梨、日本酒漬けのスポンジ、コーヒーを合わせ、丹後版トライフル – 英国の伝統菓子がコースを締めくくりました。

7名の料理人が作り上げるコースには、京丹後の食材のポテンシャルを味わい尽くしてほしい、地酒の魅力を知ってほしい、仲間たちに恥じない一品にしたい…次から次へとバトンのようにつながる情熱が、料理と共に盛り付けられていました。ひとくち食べればその思いが身体中に染み渡ります。

Kussien Stay&Food稲岡正明さんによるノンアルコール・ペアリングの素晴らしさも参加者を驚かせました。香りを抽出したアロマウォーターとブレンドした煎茶、焼き芋の香りがする烏龍茶と中華を合わせたり、寿司にはグラスの縁にワサビをそえ香りを演出したり…生み出された創作ドリンクの数々は、お酒、料理と共に心を震わせる体験です。

2018年に結成された京丹後美食都市研究推進会は、これまでに食の学会京丹後ガストロノミカ*1を開催したり、生産者とともに食材を研究する風土ラボ*2を立ち上げたり、地域の食文化を高める活動を継続しています。

次なるイベントは2023年10月29日(日曜)に開かれる「たんちょすバル」。秋の丹後を味わいにいらしてはいかがでしょうか。(*詳細はたんちょすバルウェブサイトにてご確認ください。)

*1 ガストロノミカレポート「後に生まれる新しい味『たんちょす』 京丹後ガストロノミカ」も合わせてご一読ください

*2 風土ラボの活動を取材した「後 食のプロフェッショナル集団 風土ラボ」も合わせてご一読ください

原田 美帆 与謝野町在住
インテリアコーディネーター・現代アートスタジオスタッフとして活躍し、2015年からは丹後・与謝野町に移住と共にデザインスタジオ「PARANOMAD(パラノマド)」を設立。織物は彫刻という独自の視点でカーテンを始めとしたテキスタイルを制作。また、マニアックな所まで的確にレポートするライターとしても活躍中。そんな彼女の美と食の記事は今後とても楽しみであります。PARANOMAD

INFORMATION

名称
とっぷりTANGOを味わう会
Name
tango ajiwaukai
名称 Name
とっぷりTANGOを味わう会 tango ajiwaukai